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2016年に、ペンシルベニア州フィラデルフィアであった民主党全国大会で大統領候補の指名を受諾したヒラリー・クリントン氏=2016年7月、ニューヨーク・タイムズ

Hillary Clinton and Kamala Harris: Inside Their Quietly Close Bond

 バイデン大統領が大統領選から撤退した7月21日、(マサチューセッツ州の島)マーサズ・ビンヤードにいたヒラリー・クリントン氏の電話が鳴った。彼女の夫であるビル・クリントン元大統領も同じ番号からの着信を受けていたので、彼女は自分と話したがっている相手が誰なのか、わかっていた。

 それはハリス副大統領で、彼女が大統領選に立候補し、できるだけ早く支持を集めたいと伝えてきたのだ。ヒラリー・クリントン氏は躊躇(ちゅうちょ)せず、賛成だと伝えた。クリントン夫妻はオバマ夫妻を含む多くの民主党幹部に先駆け、急いで支持を表明した。

 今夏、民主党員がバイデン氏再選に反旗を翻したが、ヒラリー・クリントン氏はバイデン氏を追い出すような役回りはしたくなかった、と関係者は彼女の考えについて語っている。しかし舞台裏では、もしバイデン氏が退く選択をするのであれば、長期にわたる予備選を経ずにハリス氏が大統領候補に指名されるべきだという強い意志もあったという。

 2人は、(オバマ氏とヒラリー・クリントン氏が候補指名を争った)2008年の民主党予備選では対立する陣営にいたが、この数年、緊密な関係をひっそりと構築してきた。ワシントンにあるクリントン氏宅で夕食をともにし、ハリス氏が誰を副大統領候補に選ぶべきかといった影響の大きい決定について議論し、高官を務める女性たちが相変わらず過小評価されかねないことを巡り意気投合した。

  • 【注目記事を翻訳】連載「NYTから読み解く世界」

米国で女性初の大統領が誕生するかどうかが注目されています。16年の大統領選でトランプ氏に敗れたクリントン氏は、数年前からハリス氏を支援していました。NYT記者が関係者に取材しています。

 (民主党全国大会が開幕した…

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